映画「オールドマン/Old man」のネタバレと感想を紹介していきます!
※本記事にはネタバレを含みます。未視聴の方はご注意ください。
数年前から増えてきた、やばい老人系スリラーの金字塔『ドント・ブリーズ』のスティーヴン・ラング主演。
ある日森の中どこかかなり変な老人に出会った!
オールドマン(原題: Old Man) / 2022 アメリカ
監督 :ラッキー・マッキー
脚本 :同上
出演
スティーヴン・ラング / マーク・センター / リアナ・ライトマーク / パッチ・ダラー
あらすじ
ハイキング中に遭難してしまった青年・ジョーは、森の中にぽつんと佇む山小屋を発見する。
助けてもらおうとドアをたたくと、現れたのは猟銃を構えた老人だった。
老人は今朝、飼い犬のラスカルが逃げ出したばかりだそうですこぶる機嫌が悪い。
更にジョーを元妻の手先かと疑ったり、セールスかと疑ったりと、とにかく疑心暗鬼の老人。
少しでも意にそぐわない動きをすると、すぐに銃をつきつけてくるため、早くその場を立ち去りたいジョー。
しかし老人が言うには嵐が近づいており、外に出るのも危険だという。
腹をくくり共に酒を酌み交わすジョーと老人。
やがて2人は徐々に打ち解けたようにみえたが…?
みどころ
山小屋のワンシチュエーション、登場人物5人以下と、低予算だったんだろうなと想像できる映画。
でもそんなことも気にならないくらいの名演技!
基本的には老人とジョーの会話ベースで進んでいきますが、退屈なシーンがなく、飽きずに見切ることができました。
しかし物語の根幹の謎については、割と中盤で察しがついてしまうため、そこから種明かしまでの流れはやや物足りなかったのが残念。
話もわかりやすく、グロテスクなシーンもそこまでないので、さっくり見れる印象でした。
結末(※以下ネタバレ注意)
ジョーはここへ来る前にした妻との喧嘩について、老人に語りだす。
話していくうちに、自分たちに共通点が多いことに気が付くジョーと老人。
山小屋へたどり着いた経緯も、妻(元妻)の特徴も…。
話が一区切りついたところで、老人は食事の準備のために席を外す。
すると、ジョーは隠し持っていたナイフを手に、「喧嘩の結末は最悪だった…」とつぶやき、山小屋から出て行ってしまう。
そのナイフには、赤黒い血痕がついていたのだった。
入れ替わりに現れたのは、白髪の男。
老人はその男を見ると『ラスカル』と呼んだ。
ラスカルに対し、ジョーはどこへいった?さっきまでいたはずだ、と詰め寄る老人。
しかしラスカルは「その話は何度も聞いた」「同じ話を何回もするな」と一蹴し、老人の猟銃を取り上げてしまう。
わけがわからず混乱する老人に『どんな傷や病もなおす紫の泉の水』を飲ませ、チェストへ導くラスカル。
老人がチェストの中へ入ると、底に飾られていたのは、仲睦まじ気な夫婦の写真。
そこに映るのはジョー…いや、若い頃の老人だった。
そう、ジョーは老人自身だったのだ。
老人の妻は、老人と共に聖書のセールスとして働いていた男と不倫し、それに激昂した老人は2人をナイフで殺害してしまったのだ。
山小屋へ戻ると、目の前には首から血を流した妻がいる。
「許してくれ」と懇願する老人に対して、
「だめよ」とささやく妻。
泣き崩れる老人に、ラスカルは「眠った方がいい」と告げ、老人は床につく。
しかし朝が来ると、老人はまたしてもすべてを忘れて「ラスカルはどこだ!」と叫ぶのであった。
感想と考察
やば爺成分不足
この映画、低評価の理由のほとんどが「ドント・ブリーズ」を期待したのに!や、思ってたのと違った!という理由なんです。
実際ポスターも宣伝文句も、やば爺を全面に押し出しているので、そうなるのも無理はないんですよね。
見終えたうえでの感想は「ドント・ブリーズ」よりも「ファーザー」の方が近かったし。
ジャンルも正直スリラーというよりはヒューマンドラマ。
でもそう設定してしまうと、ジャンル自体がネタバレになってしまうからできなかったんだろうな~と、もったいない気分になりました。
ラスカルの正体
最初は犬と紹介されていたのに、白髪の男として登場したラスカル。
変な液体を老人に飲ませたり、チェストにぶっこんだりとなにやら訳知り顔。
親戚orヘルパー説
老人が本当に山小屋に住んでいるとした場合、定期的に面倒を見に訪れている親戚やヘルパーさんの可能性があるでしょう。
老人(ジョー)と妻は子供ができなかった、という話があったので、息子という線はないと思います。
過去に妻を殺害→服役→現在は独居老人
かなり認知症が進行しているため、
医者説
シネマミル的にはこっち推し!
そもそもあの山小屋自体が老人の妄想で、本当は病院に入院しており、ラスカルは患者を診る医者かそれに準ずる立場の人、という説です。
というのも、老人が最初から着ている服がロンパースに見えるんですよね。
おじいちゃん事情に詳しくないのですが、独居老人がロンパースを着ますかね…?
オムツ替えなど、介護がしやすいような服を着ているように見えました。
となると、
過去に妻を殺害(精神的に壊れてしまう)→服役→現在は精神病棟へ入院
紫の泉の水=精神安定剤的な薬
なのかな、と思いました。
罪の意識と妻に裏切られたショックから、すべてを忘れてしまう。
けれども記憶は消えたわけではないから、毎日思い出す。
するとショックでまた忘れてしまう…
そんな風に毎日を繰り返しているとしたら、なんだか切ないですよね。
誰でも直面しかねない問題
オカルト要素を取り除いて考えた場合、老人が毎日を繰り返しているのは精神的な問題or記憶力の問題になるのですが、これって誰でも直面しかねない問題ですよね。
とくに人生100年と呼ばれる現代を生きる我々は、ただ生きるのではなく、いかに健康に生きるかが大事だなと思わされました。
猟銃をもった老人の家に迷い込む確率よりも、自分が老人のようになってしまう確率のほうがよっぽど高いでしょうからね…
まとめ
いかがでしたか?
なかなか低評価の多い映画ですが、個人的にはつまらないというほどでもありませんでした。
人と一緒にみて、あーだこーだというのに向いていそうなので、ぜひおうち映画で楽しんでくださいね!
怖いよりも哀しいが勝つ映画でした。脳トレしてぼけないようにしたいね
この映画がおすすめの人
・さくっとみられる映画が見たい人
・見終えた後に軽く考察したい人
この映画がおすすめできない人
・狂気に満ちた老人とのバトルが見たい人
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