映画「ゾンビ・ホロコースト」のネタバレと感想を紹介していきます!
※本記事にはネタバレを含みます。未視聴の方はご注意ください。
ゾンビ・ホロコースト(原題:I survived a zombie holocaust) / 2014 ニュージーランド
監督 :ガイ・ピグデン
脚本 :同上
出演
ハーレイ・ネビル/ジョサリン・クリスチャン/リーニン・ヨハニンク/ベン・ベイカー
ブラックシープに引き続き、ニュージーランドのゾンビ映画。
今回はきちんと(?)人間のゾンビです。
あらすじ
脚本家志望のさえない青年・ウェズリーは、ゾンビ映画の撮影アシスタントとして人里離れた森を訪れる。
雑用全般をこなすことを求められるウェズリーは、嘔吐がとまらない出演者・クライヴを村の病院へ送り届ける。
しかし村では似たような症状の患者が大量発生しているようで、病院も手が回っていないようだ。
仕方なくウェズリーはクライヴをその場に残し、撮影現場へ戻る。
その後も撮影の役に立つどころか、邪魔ばかりしてしまうウェズリー。
一目ぼれした女性・スーザンにも醜態を晒してしまい、現場の空気も最悪な中、森の奥から不穏な影が近づき…
みどころ
ジャンルとしては、まごうことなく「ゾンビコメディ」ですが、想像以上にストーリーが丁寧に作られている作品だと感じました。
基本的にはキャラクターも二枚目ばかりで、最初は感情移入できませんでしたが、物語の後半になると話は変わってきます。
ここで書いてしまうとネタバレになるので深くは書きませんが、とあるキャラクターの最後のシーンは思わず泣いてしまいました…
映像としてもB級の中ではしっかりと作りこまれているな、という感想。
B級映画のゾンビは、特殊メイクが物足りないこともありますが、こちらのゾンビはかなり好みの見た目でした。
ゾンビ映画らしい臓物などのグロ要素もそこそこクオリティが高く、かなり映像に馴染んでいたように感じます。
お色気シーンもあるため、家族でみるとちょっぴり気まずいかも…
結末(※以下ネタバレ注意)
ヒロイン役のジェシカがトイレに行った際にゾンビに噛まれた。
なおこのとき、本来はウェズリーが見張りの予定だったが、彼はまさかの昼寝をしてしまっていたため、何も知らない。
そしてゾンビになったジェシカが撮影現場へ戻ったことをきっかけに、撮影現場は大量のゾンビと、ゾンビのメイクをした俳優が入りまじり、大混乱に陥る。
阿鼻叫喚の撮影現場にも拘らず、監督は「撮影を止めるな!」と言い放ち、リアルなゾンビの撮影を続け、ついには自身がゾンビに食われる様子を撮影し始める。
一方そのころ、主人公役のナルシスト男・アダムはジェシカがゾンビ化していることに気付かず、トレーラーハウス内で性×為に勤しむ。
ウェズリーはスーザン、アダム、かつてラグビーの試合で自身の活躍によりチームを優勝に導いたという男・タネらと共に、なんとか撮影現場からの脱出を試みる。
しかし逃亡劇の道中、タネは背後から現れたゾンビに噛まれてしまう。
更にアダムも、トイレに行った際に大量の血尿と自身の陰部が腐りはじめていることから、自分が感染していることを悟る。
ガソリンさえ手に入れば、トラックで脱出ができるという状況で、タネはウェズリーにひとつの真実を告白する。
タネがずっと語っていた、自分の活躍でラグビーで優勝した、という話は嘘だったのだ。
本当は、彼の走りは一歩及ばず、チームは負けてしまっていた。
「それでも、もう一度やり直せるとしても、俺は同じ道を選ぶだろう」そう言い残したタネは、ガソリンを取りに行くべくゾンビの群れの中を駆け抜ける。
そして力強くハカを行うと、ゾンビたちを引き連れ、自分もろとも爆発する。
一方完全にゾンビ化したアダムに手を噛まれたウェズリーは、即座の判断で手を切り落とし、何とか感染を免れた。
タネの命がけの活躍で手に入れたガソリンを使いトラックに乗り、街へむかうウェズリーとスーザン。
しかしついにガソリンも尽き、周囲には大量のゾンビ。
ここまでか…と思われたそのとき、
「カット!」という声が。
これはウェズリーが監督を務める映画のワンシーンだったのだ。
彼はウェズリー役の俳優に演技について指導するが、その傍らにいるスーザンが口を挟む。
あのゾンビホロコーストは事実だが、ウェズリーとスーザンはどうにかして生き延びていた。
そしてそのときの体験を、映画として残すことにしたようだ。
感想と考察
笑いとシリアスの切り替えがうまい
映画全体コメディ色が強く、特に前半~中盤まではほぼコメディ。
だからこそアダムが感染していることが発覚するシーンや、タネの最期は感情の急降下でより一層シリアスが引き立つな、と感じました。
ゾンビホロコーストが起きるまでもかなり尺を使っていますが、決して冗長にはならずに、あちらこちらにゾンビの足音がきこえてくるような、不穏さが潜んでいるのもよかったです。
その不穏さに一切気付かない主人公たちがまた面白いんですよね。
進化するゾンビ
ゾンビは歩く派の私ですが、この映画の途中で進化して走り出すゾンビはなかなか新鮮でした。
突然変異、というわけでも、最初から走るわけでもなく、この映画のゾンビは途中で走れるようになります。
なぜ走れるようになるのか、などといった小難しいことは明かされませんが、おかげで画面に動きが生まれ、退屈せずに見ることができました。
ラストの投げやり感がとにかくもったいない!
全体的に飽きずにみられる良作なのに、ラストがとんでもなく投げやりなのがもったいない!
あの状況からウェズリーとスーザンがどう生き延びたのかまったく想像がつかないんですよね。
そこまでを丁寧に描いてきただけに、なぜあんなに投げやりにしたのか…
生き延び方のパターンとして考えられるのは、誰かが助けに来た、ですが、戦車でもこないとあの数のゾンビは倒せないような…
走って逃げるにしても、先ほど書いたようにこのゾンビは走れるので、いずれ体力が尽きて詰むだろうし。
1分くらいでもいいからなにかしら考察の余地が欲しかった…
まとめ
馬鹿ゾンビ映画だと思ってみたら、割としっかりしたゾンビ映画で満足度高めでした。
ブラックシープの時も思いましたが、ニュージーランドらしさを盛り込んでくるのもイイですね!
サクッとみられるのに満足度高めだから、友達とみるのにもいいかも!
この映画がおすすめの人
・冴えない主人公が好きな人
・重すぎるゾンビが苦手だけどふざけすぎるのも嫌な人
この映画がおすすめできない人
・グロい&下ネタが苦手な人
・最後まで話をすっきりとさせたい人
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