あなたのズボンは大丈夫?「キラー・ジーンズ」ネタバレと感想

ホラー

カナダ発ホラーコメディ映画「キラー・ジーンズ」のネタバレと感想を紹介していきます!
※本記事にはネタバレを含みます。未視聴の方はご注意ください。

憧れのファッションブランド・CCCで働くことになった主人公。
さっそく新作ジーンズの発売に向けて準備に勤しむが、そのジーンズは人食いズボンだった…!!

キラー・ジーンズ(原題:SLAXX) / 2020 カナダ
監督 :エルザ・ケプハート
脚本 :エルザ・ケプハート
出演
ロマーヌ・ドゥニ/ブレット・ドナヒュー/セハール・ボジャニ

あらすじ

主人公・リビーは憧れのファッションブランド「カナディアン・コットン・クロージャーズ(通称:CCC)」への初出勤を果たす。
そこで働く同僚たちは、店長のクレイグをはじめ、利己的でアクの強い人物たちばかり。
なんとか仲良くなろうと、最初に案内してくれたインド系女性のシュルティに「私もボリウッド好きよ」と声をかけるも、「私の親がインド出身だからってボリウッドを好きときめつけないで」と言われる始末。

そんな初出勤日の夜、新作ジーンズの発表を控えているCCCでは、なんとしてでもジーンズの販売を成功させたいクレイグが皆を集めていた。
創業者のハロルドが訪問するということもあり、熱のこもるクレイグ。
しかし突如、従業員のひとりであるジェマが腹痛を訴え離席してしまう。

新作ジーンズを勝手に履いていたジェマは、生理痛のような腰の痛みに慌ててトイレに駆け込む。
ジーンズを脱ごうと奮闘するも、なぜかどんどん締め付けはキツくなり、ついには身体をちぎられてしまい…

みどころ

社会問題とスプラッターとコメディの塩梅がばっちり!

シンプルなB級映画かと思い見始めましたが、ただのホラーにおさまらない、現代に必要な社会風刺も盛り込まれていました。
ブラック企業、人権問題、人種差別…ここまで書くと説教臭いな、と感じる方もいるかもしれませんが、メインで伝えたい問題以外はそこまで説教感もないので、心構え自体は必要ないレベルでちょうどよかったです。

ツッコミどころは多め。それこそがB級

全体的にテンポよく、映画として伝えたいメッセージはわかりやすいものの、ツッコミどころは多め。
だからこそ、重いテーマにも拘らずこの映画がB級として成り立っているように感じました。
B級ホラーにありがちな下ネタや性描写もないため、大人であれば誰とみても安心できる作品です。
ただしグロ描写は結構キツめなので、臓物垂れ流し系が苦手な人は注意!
食事中にみるのはおすすめしません。

結末(※以下ネタバレ注意)

ジェマを探しに行った女性従業員もいなくなってしまい、リビーは2人を探すことを命じられる。
女性トイレを探していると、なんとそこにはバラバラになったジェマの遺体が!!
クレイグに報告すると、「新作の発売まで警察には通報できない」と答える。
仕方なく、ジェマの遺体をごみ箱にいれて片付けるリビーとクレイグ。
しかし、その後に別の男性従業員の遺体をみつけたことで考えをあらためたリビーは、通報しようとするが、クレイグは彼女を殴って気絶させる。

新作発売にあわせて撮影に来ていたインフルエンサーが、撮影中にジーンズから首を絞められたことから、店内は阿鼻叫喚に。
あっという間にほとんどの従業員がジーンズに食べられてしまうが、ボリウッドを聴きながら、ノリノリで仕事をしていたシュルティだけが襲われずに済む。

意識を取り戻したリビーは、インフルエンサーのカメラに残された惨劇と、音漏れしているシュルティ
のうしろでノリノリで踊るキラー・ジーンズの映像を発見。
休憩室で何も気づかずに休むシュルティのもとへ行き、事情を説明。
唯一鍵のかかる部屋にいるクレイグのもとへ急ぐ。

監視カメラの映像越しに、キラー・ジーンズに呼びかけるリビーとシュルティ。
ボリウッドで踊っていることから、「キラー・ジーンズに宿っているのはインド人では?」と予想をたてたのだ。
シュルティがヒンドゥー語で語りかけると、ジーンズに宿っていたのは、CCCの管理するコットン畑で働いていた、インドの13歳の少女・キーラットであることを知る。
彼女は綿の収穫中に脱穀機に巻き込まれて亡くなっていた。
CCCの掲げるオーガニック、人道的という謳い文句は嘘で、本当は児童労働からの搾取をしていたのだ。

「この事実を暴露する!」と激怒するリビーとシュルティ。
出世命のクレイグが許すはずもなく、シュルティは彼に刺殺されてしまう。
絶体絶命のリビーだったが、そのときクレイグは大量のジーンズに襲われて皮を剥がれて死亡。

なんとか生き残ったリビー。だが、店の前には大量の客が待ち構えている。
店内では、客をくらおうと待ち構えるキラー・ジーンズたち。
リビーの必至の説得もむなしく、店内に客らがなだれ込んだ瞬間、ジーンズたちは牙をむく。
顧客たちに押しのけられ、頭を打ち大量出血したリビーは、薄れゆく意識の中で、そんな光景をみつめるのだった。

感想と考察

紛うことなきバッドエンド

ホラー映画のバッドエンド、考えようによってはハッピーエンドだったり、救いがあったりする場合が多いですが、これはきちんとバッドエンド
そもそもキラー・ジーンズに対する対処法が一切判明せず、主人公含め全滅ENDなんですよね。
キーラットは厳密に言うと、ジーンズではなく、彼女の血が混じった綿に憑依していると思われるので、おそらくジーンズを切り刻んでも意味がなさそう。
まとめて燃やせばいいのか…?

避けようがないよ!

SHEINをはじめとした激安通販における、労働搾取問題は度々話題にあがります。
人権意識の高い人は、例えばフェアトレードを謳う企業から買い物をする、などの対策をとるかと思いますが、質の悪いことにCCCは「クリーンな会社です!」と偽っているんですよね。
消費者1人1人が企業の言うことを鵜呑みにせず、情報を精査することが重要、というのはわかりますが、限界もあるので、そうなると避けようがないな…と。

一方で激安通販サイトを使う人の中には、こういった背景を知らない人も多くいると思うので、せめて意識して少しでも改善していくようにしたいですね。

まとめ

スキニーに締め付けられて死ぬの、太ったときのキツさを思い出して怖かった

この映画がおすすめの人
・社会問題に関心がある人
・テンポのいいホラーが見たい人
この映画がおすすめできない人
・ハッピーエンドが見たい人
・血や臓物描写が苦手な人

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